
これは私のおじいちゃんのかなり古い家を売却した時に、300万円もの差額が出た売却体験についてまとめたものです。
若いうちに祖母に先立たれたおじいちゃんは小さな一軒家に一人暮らしをしていました。
私も小さい頃は毎週末になると少し離れた母の実家でおじいちゃんに会いに行くのが楽しみで、母には厳しくても孫の私には全く怒らず全てを受け入れてくれました。
そんなおじいちゃんが亡くなり、お葬式も終わって家はしばらくそのままにしていたのですが、当然ながら相続や固定資産税の問題が出てきました。
母にとっても私にとっても思い出深い家。本当は売りたくないけど持っていても仕方ないね、と家族で話し合った結果売却することにしました。
建物の値段が付かないと診断される
ただ、売ると言ってもどこに行けばよいのかも分からず不安が大きかったのですが、とりあえず不動産屋さんに話してみたらいいだろうということで近くの不動産会社に。
そこで30代半ばの男性が応対されたのですが、愛想も良さそうなので話をしてみました。
その時に分かる範囲で伝えた内容は下記。
- 所在地:埼玉県坂戸市
- 間取り:3DK(平屋
- 土地面積:約60㎡
- 建物延べ床面積:50.5㎡
- 最寄り駅:バス停まで徒歩10分
- 築年月:1974年
土地代含む当時の購入価格は祖父母ともに亡くなっているため分かりませんでした。
実際に不動産会社の方が見に行きたいとのことで訪問査定してもらうことに。
すると、
「ちょっとこの築年数と家の状態では建物自体に値段は付かないですね。売れるとしても50万円いくかどうかです。」
「土地はもちろん売れるので、現時点では300万円くらいですね」
という、家自体が売り物にならないショッキングな内容。
今ならいわゆる「耐用年数」という概念が分かっているので不動産会社が建物自体に値段が付かないと判断しても驚くことではないのですが、当時は「なんでまだ住める家に値段が付かないのよ?」と納得できない思いでした。
賃貸にして出す方法もあるとの提案を受けたのですが、リフォームで300万円かかると言われ、そんなとてもじゃない金額だったし、そもそも金銭的な理由で売却をしようとしていたので断りました。
自分でも不動産売却の勉強してみることに
実はもう1軒、別の不動産屋に行ってみたのですが、ここでは
「この物件だと正直難しいですね。努力はしてみますが。」
と言われました。
さらに、
「専属専任媒介でやらせてもらうなら広告を打ったりしてなんとか頑張って売りますよ」
と言われました。
母は「そうですか、それなら、、、」ということで依頼をしそうになったのですが、どうも不動産屋の対応が気にかかりました。
(なんだろう。こっちが売り手なのに売り込まれてる感じがするなあ。。)
そんな印象があって一旦依頼は保留してもらい、自分でも不動産売却について調べてみることにしました。
(ここが私の不動産を学ぶきっかけになりました)
調べた結果、下記のことが分かりました。
- 仲介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類がある
- 一般、専任の場合は自分でも買い手を探すことが可能
- 専属専任媒介の場合はどんな売り方をしても仲介手数料が発生する
専属専任なら必ず不動産会社に仲介手数料が入るので、それを元に広告が打てるのは分かりますが、何度も引越しをしている私はある点が引っかかりました。
それは、何件か不動産会社を回った時に、どこの不動産会社でも出てくる物件とその条件が同じだな、ということ。
これも調べてみると、「レインズ」という全不動産会社が共有しているデータベースのようなサイトがあり、その情報をもとに、賃貸でも売買でも不動産会社なら誰でも閲覧できるということでした。
つまり、どんな物件でもレインズに登録されるのであれば、いろいろな不動産会社でおじいちゃんの家も閲覧される可能性があるのではないかということでした(そしてそのとおりでした)。
どうもあの不動産会社、とりあえず安くても売ってしまって少しでも仲介手数料が自分のところに入ればいい、って考えてるのかな・・・という、最初に感じた売り込み的な違和感がこの時少し理解できた気がしました。
たくさんの口コミを調べて分かったこと
それならばもうちょっと調べてみよう!ということで、既に家やマンションを売った人たちの口コミが投稿されているサイトを見つけました。
「最初は一般媒介で進めてみて、信用できると思った不動産会社に専任媒介契約をするのが良いし、高く売れやすいと感じた」
多くの人が不動産を売った時の感想をこのように書き込みしていました。
やっぱり、たくさんの不動産会社を回ってみて、自分たちが良さそうと判断できる不動産会社を選ぶのが大事だなと感じ、それを母に伝えました。
母は「あなたがそう思うならそれでお願いね。」とあまり難しいことは分からないようだったし、なんとかして私が条件の良い不動産会社を見つけなければ!と決意。
以前にマンション売却をしていた先輩から得た優良な情報
とりあえず1社ずつ地道に回っていくしか無いなと意思を固めていたのですが、たまたま会社の先輩に話したところ、「一括見積もりならインターネットでできるよ」という情報が。
「なんですかそれ?先輩マンション売ったの?!」
身を乗り出すように聞いてみたところ、なんでも先輩は投資用のマンションを区分所有で購入しており、もっと良い条件のものを購入したいという希望で売却したとのこと。
その際に一括査定見積りを活用して良かったよ、とのことでした。
いろんなオンライン査定があるけど、ここが良かったよ、ということでそのサイトを紹介してもらいました。
いろいろ調べて、実際の実績数が一番多くて、数百以上の不動産会社に対して一気に無料で見積りを掛けられるとのこと。
一軒ずつ自分の足で回ろうと思っていた私にとっては目からウロコ。早速自分でも使ってみることに。
見積りをとってみると驚きの結果が
サイトを使うと行っても住所やおおよその面積と築年数、名前と電話番号、メールアドレスを入力するだけで、10分もしないうちにメールと電話で連絡が入りました。はやい!
5社からのおおよその見積りが得られたのですが、このうち2社はやはり建物には値段が付かない可能性があるとのこと。
けれども、他の2社、とくにA社は「中古住宅でご年配の方で探されている方がいますので」との嬉しい情報が。
まずはこの2社にお爺ちゃんの家を見てもらうことになりました。
この時A社さんの言葉が嬉しすぎてジーンとしたことを今でも覚えています。
「大切なお祖父様のお家でしょうから、ぜひじっくり拝見させてもらって極力好条件が出やすいようにしたいと思っております」
見ていただいた2社とも行動やこちらに対する指示やアドバイスなどが事細かく、さらに素早い行動をしてくれるしとても頼もしいものでした。近所の不動産屋とは大違い。
また、「早速売却手続きに入りたい場合は契約をしますが、どの媒介契約にしたいか希望はありますか?」とのことでした。
前の不動産屋さんに聞いた時は知識もない状態だったし、「専属前任媒介契約なら」としか言われずで何がなんだかでしたが、今回は違います。ちゃんと勉強してます私。
そして「一般媒介契約でも大丈夫ですか?」と冷静に聞いてみたところ、そのA社は気持よく、
「全然大丈夫ですよ、一般から始められるのが僕も良いかと思います。」
という返答。
この返答こそがまさにA社でお願いしたい!と思えた瞬間でした(でも一般媒介からスタートしましたヨ)。
その後2社とやり取りをしつつ、様子を見ていましたが、定期的に出してくれる報告書の中で積極的に動いていてくれる様子が伺えました。
さらに最も驚いたのは、当初300万円だった査定に対して600万円もの査定価格を付けてくれたこと。
なんでも、希望されている方がいて、予算とも合っているとのことでした。
最終的な売却価格は
そして、あれよあれよと希望者の方の内覧も行われて、さらに数日後、購入の意志があるとのご連絡をいただきました(この時には既にA社との専任媒介契約でお願いしていました)。
最初の不動産会社に足を運んでからたった3週間。
なんだかあっという間の出来事でした。
ちなみに土地代と建物合わせて予定通り600万円で売却することができました。本当は700万円でも売れたのですが、こちらで最後に100万円下げて売りに出す意志を伝えたところ、先方にも気持ちよく契約していただけたようです。
もしあのまま地元の不動産屋にお願いしていた場合、300万円しか値段が付かなかった家に、これだけの差額が付くこと自体びっくり。
やっぱり大切だなあと思ったのが下記3点。
- いくつかの不動産会社と話を進めること
- 中には既に好条件を引き出せる見込み客がいるかもしれないこと
- 何よりもご縁がとても大切
ということを深く実感できました。先輩から情報をもらわなかったら本当にどうなっていたことか…。
最初は私自身も初めてかなり不安が大きかったのですが、売却後の税金支払いや難しい手続きに対しても、お願いした不動産会社が丁寧に指示やアドバイスをしてくれて、売却からその後の税金の支払いまで全て滞り無く終わってとても気持ちの良い売却体験となりました。
私が使って売却できた不動産査定サイトは下記です。チャット形式で情報を入力していくので事前に物件の情報を手元においておくと便利ですよ。
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