

このページでは、「不動産売却手続きの中でチェックするべきポイント」が分かります。
不動産売却の具体的な流れの中でチェックしておきたいポイントを流れで見ていきましょう。
売却活動は不動産会社と売主さんが一体となって行っていくのが理想です。決して不動産会社に任せきりにせず、チェックするべき項目は、売主さんもしっかりと確認しておかないと後々トラブルの元になりかねません。
不動産売却の流れは下記のようになります。
- STEP1売買契約の締結
- STEP2販売用図面(マイソク)作成
- STEP3レインズへ登録
- STEP4宣伝広告スタート
- step5物件確認
- STEP6内覧
- STEP7営業活動報告
- STEP8売却活動チェック
- STEP9売買契約の締結
- STEP10物件引き渡し
これらを順番に見ていきましょう。
STEP1:仲介をしてもらう不動産会社との媒介契約
売却を仲介してもらう会社の媒介契約を結びます。
媒介契約は3種類の形態の中から自分が希望する内容をチョイス。
個人的には「専任媒介契約」がおすすめですが、それぞれのメリット・デメリットがあるため、下記記事を参考にしてみてください。
STEP2:販売用図面(マイソク)作成
マイソクとは不動産業界用語で、それぞれの不動産会社が独自で作成していくものです。ほとんどの人がこれまで見たことがある図面のようなものです。

マイソクは物件の情報を伝える一番根底の手段になりますのでとても重要です。マイソクの制作具合で契約している不動産会社のやる気がどれくらいなのかを測ることができると言っても過言ではありません。
未だに最低限の間取りや情報だけ載せてカラーは白黒、コメントも特になし、といった不動産会社が多くいるのも事実です。
契約をする前に、その不動産会社がマイソクに対してどれくらい力を入れて作成してくれるのかはぜひチェックするべきポイント。もし作成したマイソクを見せてくれない会社とは今後の付き合い方を考える必要があるでしょう。
また、いくら不動産会社の担当営業マンが優秀で物件の事を分かっていたとしても、売主としても「こう書いて欲しい」「ここがセールスポイントです」などといった意見はどんどん伝えるべきです。

マイソクはとても重要な販促ツールになるので、売主さんも一緒に営業マンと相談しながら作成していくことをおすすめします。
下記記事では「マイソクを自作してはいけない!」としています。
マイソクを自分でつくるのではなくて、必要な情報を集客のプロの不動産会社に与えてマイソクをつくってもらえばいいのです。
引用:https://diamond.jp/articles/-/170501?page=2
これはある意味そうなのですが、多くの売買物件を見てきた個人的な意見を言えば反対です。
もちろん不動産会社のほうが数え切れないほど沢山のマイソクを作ってきている意味ではプロなのですが、その物件の魅力や価値、見えない部分までの情報について一番知っているのはオーナー自身。
自分でマイソクを作る必要はありませんが、魅力をしっかり盛り込んでもらうための情報提供は必ずやるべきでしょう。
その情報を掲載するかどうかについては媒介契約をした不動産会社の担当者としっかり擦り合わせを行い、作成自体は不動産会社にお任せする、もし職業柄自分で作成できる人は作ったあとにしっかり見てもらう、という方法がおすすめです。
マイソクは重要度の高い販売促進資料なので、これまで成約したマイソクを沢山見せてもらうことも大いに参考になるでしょう。
マイソクを作成してくれる代行会社も沢山存在します。
STEP3:レインズへ登録
マイソクが作成できたらレインズに登録します。
不動産会社はマイソクで作成した物件情報をレインズに登録する義務がありますが、両手仲介を意図して中にはレインズに登録しない不動産会社も存在しますので注意が必要です。
レインズには必ず登録してくれる不動産会社を選びましょう。
STEP2で記述したマイソクがこのレインズに登録されれば、全国の不動産会社で情報共有されるため、広く見込み客(買い手)に知らせる方法となりますし、実際に興味をもった買主がマイソクを閲覧することになります。

この時に白黒ではなく、カラーで写真もたくさん入っていて、情報量も豊富であればあるほど買主候補の人が興味を持ちやすくなるのは言うまでもありません。マイソクはやはり最重要な参考資料となります。

レインズに登録されなければ、この最重要資料も閲覧されることがないため、しっかりとレインズ登録の有無を確認しましょう。「登録証明書を見せてもらえますか」と伝えれば完璧です。
STEP4:宣伝広告スタート
物件の宣伝広告活動方法については各社様々な方法を取っていますが、一般的なものを挙げると下記になります。
インターネット
- 不動産会社のWebサイト掲載(専用特設ページ含む)
- ポータルサイト(アットホームやスーモ、楽待など)への掲載
紙媒体
- 新聞折込チラシ
- ポスティング
- 特定顧客へのダイレクトメール
現地
- 看板やのぼり
- オープンハウス
その他
他社への告知や依頼
不動産会社の宣伝広告活動は多岐にわたりますが、上記をすべて行ってもらえればベスト。
特にポイントとなるのが「他社への告知や依頼」。でしょう。これをやるのとやらないのとでは販売力が大きく変わってきますが、専任や専属専任の場合は初めからこの告知をしてくれないケースが多いでしょう。
それでも期限を切って「3ヶ月売れなければ他社へも依頼をかけてほしい」と初めに断っておくのも一つの依頼方法です。
また最近ではインターネットのポータルサイトを見ている不動産投資家が沢山います。
例えば楽待や健美家などが良い例で、いい物件はすぐに飛ぶように売れていきます。

STEP5:物件確認
物件確認とは、レインズに登録されている売出該当物件に対して、他社からの内覧希望などの問い合わせに対して対応をすることです。
レインズには「申し込み済」とか「契約予定」などの情報記載は自動でされないため、レインズをみた不動産会社は都度その情報を「電話で」取得しに行く必要があります。
この対応時に、申し込みが入っていないにもかかわらず、「既に申し込み済みです」と答える悪意ある不動産会社が残念ながら存在します。
これは自社利益確保のため両手仲介を狙って、他社からの申し込みをさせないために行われる行為で非常に悪質です。
こういったこともまだまだまかり通っているのが不動産業界の実情です。
STEP6:内覧
物件確認後、買い手の人が該当不動産を見に来ます。これがいわゆる「内覧」です。
内覧では特に下記5つの点に注意してみると良いでしょう。
- 出来るだけモノを置かず広く見えるようにする
- 水回りをしっかりと清掃しておく
- 空気の入れ替えをしっかりしておく
- カーテン、ブラインドは開けておく
- 照明は新しいものに変えて明るいイメージを持ってもらえるようにする
他にも細かい点はありますが、契約している不動産会社と相談しながら内覧を進めましょう。
STEP7:営業活動報告
不動産会社は売主に対して営業活動報告をする義務があります。
- 専属専任媒介契約:1週間に一度
- 専任媒介契約:2週間に一度
- 一般媒介契約:報告義務なし
営業活動報告が義務付けられている内容は頻度だけで、内容云々については何も定められておりません。この報告活動にも不動産会社の質が伺えますので要チェックポイントです。
売却に至るようどれくらいの広告を行ったのか、具体的に何を行ったのか、それに対する成果はどうかなど、しっかり報告してくれる不動産会社なのかどうかを見極めるためにも、契約前にこれらの具体的な方向性をヒアリングしておくのもよいでしょう。

やるべきことをやってなくて、ただレインズに登録だけしてほったらかし、売れなければ「売却価格を下げましょう!」と言ってくる不動産会社では言語道断です。
STEP8:売却活動チェック
これはSTEP6からも繋がる話ですが、不動産会社の営業活動報告は売主である私たちもしっかりと確認をしなければなりません。
専属専任媒介契約、または専任媒介契約の場合は1社のみの不動産会社との付き合いになりますので他社との比較ができず、本当に信頼に足る営業活動をしてくれているのかどうかが不安になりますが、ここまで書いたSTEP1~STEP7までの内容に沿ってチェックしていけばおおよその確認ポイントは網羅可能です。
STEP9:売買契約の締結
買主が現れて買付をいただき、融資その他問題がなければいよいよ売買契約です。
売主、買主どちらの側でも基本的に仲介に入ってもらった業者から的確に指示が来ますのでそれに従ってもらえば構いません。
- 実印
- 印鑑証明
- 本人確認照明
- 権利証または登記識別情報通知書
- 印紙代
- 売買代金(現金払いの場合)
- 司法書士への報酬
- 仲介手数料
- 抵当権抹消費用
- 鍵
これらを持参し、指定された場所(またはこちらが指定した場所)で売買契約、決済、引き渡しの流れで契約は進んでいきます。
繰り返しになりますが、このSTEP1はあえてここで覚えておかなくても仲介会社がすべて指示を出してきますので、それに従い粛々と進めていくだけで難なく完了します。
STEP10:物件引渡し
引渡し日は手付金を除いた現金が振り込まれる時になります。もし売主が該当物件に対してローンを組んでいれば、その残金を完済する日にもなるため、その旨を金融機関に伝えておく必要性があります。
買い手は振込を行い、売り手はローン返済をすることになるため、双方ともに合意をした上できちんと決済ができる日を選ぶことになります。
ちなみに金融機関とのやりとりは仲介不動産会社ではなく、売主本人または抵当権抹消をする司法書士さんが行うことになります。ここで用意するものは特にありませんので、司法書士さんに依頼している場合は全て任せておいて大丈夫です。
引渡し決済は、売主、買主、仲介不動産会社、司法書士、金融機関の立ち会いのもと行われます。これは個人法人ともに同様です。売主さんがローンを組んでいた金融機関担当者が立ち会うこともあります。
もしここで書類に不備があったりすると、その日に決済ができなくなります(業界用語で「ジャンプ」と言う)。もしそうなった場合は決済日を別の日に変更することに。
また、仲介会社はこの時に仲介手数料をもらうときにもなります。
何れにしても、引渡して決済が完了すれば、不動産売買の全ての手続きと実務が完了し、晴れて物件は買主のものに、そして売主は売却が完了して全てが完結することになります。
まとめ
契約完了から引渡しまでの流れでは、売主側のやるべきことはそう多くはありません。
ただし、最終目的の決済完了の瞬間でもありますので、完了するまでは気が抜けないのも事実ですが、基本的には内容をしっかりと確認した上で契約を済ませていれば、ほぼ目的は達成されたと思っておいて問題ありません。

売買契約から登記までの流れの中で特に注意すべきポイントを下記記事でまとめていますので合わせて参考にしてみてください。
コメント